清廉潔白な乙女

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『クラスメイトを乗っ取って喋っていたのに、あなたは微塵も気づかなかった。それも、そうですよね。だって、あなたは他人に、興味関心がない。そのくせ怖がりで、自分の保身を第一に考える。私はこんなにも、あなたの事を知っているのに、悲しいですね。全部、全部全部全部覚えていますよ。いじめてきた奴の、名前も身なりも、どんな風にして私を虐げたか、あなたの、自分は見張りだから関係ないと振る舞いながら、こちらを楽しそうに見下ろしていた目も――』  休まずに刃物を振り下ろされ、俺の全身は切り刻まれてゆく。 『いじめてきた奴なんて、死んで欲しい一択に決まってるじゃん』  喉元も裂かれ、声を出すことも叶わないなかで、あははははは、と笑いながらバースデーソングを歌う声だけが聞こえていた。
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