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私が小学4.5年生の時の話です。 あの日もムシムシと暑い夏の夜でした。 一人で扇風機だけの暑い部屋で寝ようと目を瞑っていた時です。 突然、棚の上に置いてあったものが落ちてきました。 少し重たいもので、扇風機の風なんかで落ちるはずもなく、しまわれていたものだったのです。 なんや?と思って元に戻してもう一度布団に寝転んでほんの少し経った時。 大の字で寝転んで伸ばしていた左の太ももにバサリと髪の毛が降りかかった感触が。 バッとそのかかった感触のする箇所を思わず触る。 でも何も無かったんです。 身体は強ばっていて、恐る恐る首を持ち上げて見てみると、やっぱり太ももには何もかかっていない。 でもあの感触はホコリや虫や、そんなもののレベルじゃあなかった。 すると、足の間と、左の太ももの外側が変に布団が凹んでいるのです。 ーーまるでそこに誰かが手を付いているかのように。 ホッとすると突然耳元から「ああ・・・」と低い男の声が。 振り向いても勿論誰も居ませんでした。 どこのどちらさんだったんでしょうかね。
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