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オリエンテーション
「うわ、欲しくな……」
俺はそう思った。
No.7なんて縁起のよさそうな番号だったから期待したけど、全くハズレだ。
これならまだあいつの方がましだ。
さっきまで「こんなやつと組むなんて……」と思っていたNo.20を見る。色白で長身の彼は運動ができそうにはとても見えない。でも、エントリーシートによると彼は知識が豊富で賢かった。
俺は改めてNo.7を見る。背が低く、やたらニコニコしている。何だか子どもみたいだ。まあ、中学生だからみんな子どもだけど。
しかも、こいつの能力ときたら何の役にも立ちそうにない。
でも、置いていく訳にはいかない。必ずゴールまで3人一緒でなければならない。それがこの大会のルールだった。
「あの、よろしく」
俺は差し出されたNo.7の右手をため息まじりに握り、
「よろしく」
と挨拶を返した。
「大丈夫、あの髭おやじの長ったらしい開会の挨拶は、あと5分で終わるから」
俺がどう思っているかも気にしない様子で、No.7は笑って言った。
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