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閉会行事
少しの休憩を挟み、結果発表が始まった。課題ごとに10ポイントずつと、チームワークポイントがプラスされた合計ポイントで順位が決まる。
1日目「拠点づくり」
俺たちは7ポイントだった。まずまずの高得点だ。増水で流されたチームもあったらしい。
10ポイント獲得したチームはベッドまで作り、料理も豪華だったらしい。でも、俺たちの竹飯も高得点につながったようだ。鍋を持たないチームで炊飯できたのは俺たちだけだった。
2日目「ヤシの実とり」
三つ取ったチームが10ポイント。二つの俺たちは7ポイント、一つのチームが4組でそれぞれ5ポイント獲得した。
2日目の発表が終わるとラッキーが笑い出した。
「何だよ」
俺が言うと、
「5分後にわかるよ」
とまた笑った。何だよ全く。
3日目「後片付け」
他のチームが最大5ポイントと苦戦した中、俺たちだけ満点の10ポイントだった。最後だったのに…と不思議に思うと、どうやら後片付けが重要だったらしい。できるだけ早くというのは、そういうことだったのか。
チームワークポイントは伏せられた。
十位から順位が発表される。
九…八…
まだ発表されない。
「リーダー、No.何だっけ?」
博士に聞かれて、
「No.11」
と久しぶりに答える。
六…五……
まだ呼ばれない
四…三……
心臓が高鳴る
「二位、No.3」
俺たちじゃない! まさか!
「優勝は、No.11、おめでとう!」
周りから拍手が起こる。
「ね、わかったでしょ?」
笑顔のラッキーを見て三人で笑った。
別れの時、ラッキーが言った。
「ありがとう。僕、来て良かった。自分が好きになれそう。この能力も」
俺も前より自分が好きになった気がする。
「ねえ、名前と連絡先、交換しない?」
博士が言う。
「もちろんさ」
俺とラッキーが笑った。
この友情はずっと続くに違いない。
おわり
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