のほんの本屋

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そんなに長く居たつもりはないのに外へ出るといつの間にか日は落ちていて、街灯だけが辺りを照らしていた。 今は七月だというのに日没が早すぎやしないか? 意外な暗さに違和感を感じながらスマホを見ると二十二時を回っていた。 「は…!?」  今が本当に二十二時過ぎだとすると僕は書店に四時間も居たという事になるが…いや、そんなはずはない。  仮に二冊の雑誌を四時間かけて読んだとする。しかし「のほんの本屋」は少し頭髪の薄くなった頑固なおじさんが一人で切り盛りしていて、なにがなんでも十九時には閉店するのだ。  
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