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のほんの本屋というと、のほほんとしたイメージを持つかもしれないが、生憎そんな事はない。
閉店五分前にまだ店内にいるお客を見つけると「もう閉店だよ!」と大きな声でお客の周りをうろうろし始める。
それでも出て行かないお客は、おじさんの少し湿った両手で外に押し出されるという恐ろしい制裁を受けるのだ。
そんなおじさんが、営業時間を三時間もオーバーして立ち読み客を許してくれるはずがない。
チラリ。書店に目をやると既に電気は消えて人の気配はない。
もう一度時間を確認しようとスマホを見ると、母親から何度も着信やメッセージが来ていた事に気付き慌てて電話をした。
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