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「俺にも千寿せんべい勧めたりしいひんのや?」
兄やんは鋭い目つきで俺の手元を見た。俺がまだ食いかけの千寿せんべいを持ってたからや。
「もうないもん。最後の一個やったんや」
「この事務所、客に茶菓子も出えへんのどすか。世知辛いなぁ」
怜司兄やんの京都成分が。
しょうがないんで、俺の食いさしの千寿せんべいを半分やった。
「そのnoteで何があったんや」
俺は自分でいれてた緑茶を飲んだ。
「作者の友達のしまもさんが、noteどんなもんやろってサポート機能をいじってはったときに、ついうっかり作者をサポートしてもうたんや」
「手がすべったんか⁉︎」
「そうや。手がすべったんや!」
俺は唖然として、冷えた茶を飲んだ。
「え? それで?」
「それで作者に100円送られてきたさかいにな、俺らその100円分なんか仕事せなあかんのや。しまもさんが作者に、100円やし、もう返さんと持っといてって言わはるんやけど、そんなん申し訳あれへんやん? ほんで、働いて返そかなって思うたらしいんやわ」
「まさかこれが……?」
「どうしよう、俺ちょっと脱ごうかな?」
真顔で湊川怜司は言うてた。
「え? 100円で?」
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