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「えっ……。デートじゃないの……?」
「だからそんなこと、どうでも良い」
「どうでも良くない!」
和久田が紗子に取り合ってくれないから、つい声が大きくなってしまった。廊下に声が響いてびっくりする。
声の大きさに和久田が目を瞠って、そして紗子はあたりを見回した。……誰も来なかったらしい。来てほしくない……。
「だって、和久田くんが言ったんだよ。『振り向いてくれない人を追っかけてるよりも、好意を持たれる方が心地良い』って。涌沢さんと一緒にいたってことはそう言うことでしょ? もう私のことは気にしなくて良いのよ」
「それ勘違いだから。盛大な」
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