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駅に着くと、見知らぬアイドルの宣伝ポスターが、駅の柱に貼られていた。そのアイドルグループの名は«Magic☆Windows»というらしい。
広告にはグループのメンバーの花咲メイの水着姿が。他の柱の広告を見ても同じアイドルグループのポスターが貼られていた。
それを見た優愛は陸斗に聞いてみる。
「陸斗くんの世界線にはこのアイドルたちは存在してるの?」
「いや、恐らく彼らは未知なる世界線から来たのだろう。俺も見たことないや」
「そうなんだ」
陸斗と優愛が人混みに飲まれながら辿り着いた先はゲームセンターだった。
クレーンゲームの中にはMagic☆Windowsのメンバーを模したフィギュアや抱き枕などがあり、それらを見るに、メンバーにはそれぞれ個々の担当カラーがあるらしい。
優愛はクレーンゲームの中に設置された紹介を読む。
「まじっくううぃんどうず、水色担当、小石川ユメちゃんか! 可愛い!」
「これに挑戦するか」
「一緒にやろう!」
ボタンの上に、陸斗の手がのり、その上に優愛の手が重なる。優愛は陸斗の手の温もりを感じながら、ゲームを一緒に始めた。
「此処で押すよ」
「うん」
クレーンがフィギュアの入った箱を掴んだ。
「次、左ね」
「うん」
クレーンが左へ動く。
しかし、簡単にはフィギュアは落ちない。
優愛が100円玉を入れる。
「もう1回やろう」
「そうだな」
最初と同じように、また2人一緒に同じクレーンゲームにチャレンジ。今度は見事にGETした。
ゲームセンター内にあった、クレーンゲーム専用の大きめのビニールのバックに、GETしたフィギュアの箱を入れると、次のゲームへ。
「俺、ホッケーゲームやりたい」
「やろやろ!」
2人が次に選んだゲームは、エアホッケーだった。
最初に円盤を滑らせたのは優愛だった。滑走してくる円盤を陸斗が跳ね返す。
あっという間に優愛が負けてしまった。
「陸斗くん、ホッケーゲーム得意なの?」
「まぁね。ゲーセンの中で一番好きなゲームかな」
「そうなんだ?! だから強いんだね〜」
第2回戦をしようとした2人だったが、他の客が待っていたので、エアホッケーを中断し、外に出る。
外はぽつぽつと雨が降り始めており、傘を差している人がちらほら。
陸斗がコンビニで傘を買い、2人は相合傘で、秘密基地のある公園へ戻ってきた。
優愛は陸斗が自分のもと居た世界線へ帰るまで見送ると、自身も秘密基地に入ってレバーを押して自分のもと居た世界線へ帰っていく。
その2人のことを、公園内の緑地ゾーンの陰で何者かが覗いていた。
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