世界の終わり、彼の始まり

1/1
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/95ページ

世界の終わり、彼の始まり

 "偉大なる我らが魔王様が、勇者の手により死んだ"と知った時、俺の絶望を、どう表現すれば良いのだろうか。  いない。いない。魔王様がいない。あの時、命令を無視してでも、あのお方の傍にいるべきだったのだと、激しく後悔した。  だが、後悔したところで、戻ってきやしないということも、嫌というほど理解できた。  魔王様。  俺が生きた日々で、一生を捧げることを誓い、全てを賭して守ると決意できた存在は、貴方様たった一つだけです。  私は━━、  いや、俺は━━、  これから先、何を守って無様に生きていけば良いのですか?
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!