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いつ死んでもおかしくない姿だった。…"人間"であるならば。
かつて、ガレオンのような存在は"魔物"と呼ばれていた。しかし魔王が勇者の手により滅び、生き延びてしまった魔物達は、"遺象"と呼ばれるようになり、人間達からは滅殺すべき対象となっていた。
ガレオンもまた生き延びてしまった。主君のために命を捧げられず、情けなく生き延びてしまったのだ。その結果がこれだ。勇者とその仲間によって、人間は魔物達を倒す術を身につけていたのだ。今まで強い者にすがりつき、こちらが村を焼けばあっさり陥落するような弱者は、既にいなかった。
「チクショウ…チクショウ…ッ」
ガレオンは森の獣道をひたすら歩く。彼の血で出来た足跡が、赤い道しるべを作っていた。ガレオンは怒りの感情を抱いていた。抱かずにはいられなかった。
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