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「平古」
「?」
「俺、お前のこと、好きになっちまったかもしれない」
平古は少し泣きそうな顔をして、俺を抱きしめてきた。
「ウソじゃないよな…」
「ウソでこんなこと言うかよ」
ばか、とつぶやくと、俺はその広い背中を抱きしめた。
きっとこれは、天の神様がこのどうしようもないオトメンやろーの願いを叶えてくれたからなんだろうな。
すると俺は、神のミワザってやつに見事に操作された、ってわけか?
―――いや、っていうーか、見込みのある願いだったから叶えてやったのかもな。
そしたらウワサの的中率ってのも下がらずにすんで、神様のケンイってのも落ちずにすむもんな、神様。
たぶん平古のやつ、この後、あんたのすげーケイケンな信者になると思うよ。
ちゃんと「願い事をかなえました」って『しらせ』をくれたんだからな。
俺はもう一度コンペイトウを見た。
しっかし天の神様ってのも、実はけっこうアホなヤツなのかもしれないな。
天の神様からの「お知らせ」には、
「祝」
というでっかい文字が書かれてあった。
そんで、小さく添え書きまで書いてあったんだ。
「お幸せにね」
だってさ!
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