桜のみち

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丸くて白い体はまるで女のようだった。 「ぁ…あぁん…」 桜の嬌声に、いつの間にか夢中になっていた。 「もう痛くない?」 問いかけに、桜が弱々しく頷く。 お互い脱いだ着物が振動で揺れる。 傷だらけの高虎の背中にしがみついて身をまかせている桜を見ると、やはり役目を帯びた密偵には見えなかった。 忙しすぎて最近こういう事から離れていた。 天下泰平になれば、残っているのは戦後処理と事務仕事ばかりだ。 「…もうすぐ、戦が始まるよ」 「…え?」 桜に自分の考えが読まれた。 「どうしてそんな事知ってるんだ。それを伝えるための誰からかの伝令か?」 もしかして亡くなった秀長の最期の遺言か。 「ぅ…」 口を割らそうと桜の小さなそれを握ると、一瞬で果てて意識を手放した。 瞳のはしから流れるわずかな雫と床に広がる黒髪が行為の激しさを表している。 ー子ども相手に大人気ない… でも普通の子どもではない。 桜の正体は謎が深まるだけだった。
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