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巨大隕石が直撃し、地球崩壊の危機を迎える事が発覚したのは今から1年ほど前。
この1年の間、世界には様々な人達がいた。
シェルターを作って人々を救おうとした者。
隕石落下なんて話は信じようとしない者。
どうせみんな死ぬなら好きに生きようと自暴自棄になる者。
自分だけは助かろうと無駄なあがきをする者。
様々な人達が様々な事態を引き起こして、隕石が降らなくても滅ぶのではないかと言われるほど、この世界は荒みきってしまった。
そして私は……どうせ死ぬなら狭いシェルターよりも大好きな物に囲まれたこの家で死にたいと思っている。
最後の食事がインスタントのカップうどんというのは、あまりにもわびしい気がするが。
そんな事を考えながら動画を見ていると、タイマーが5分経った事を知らせる。
私は蓋を剥がして、溶けかけのスープをよくかき混ぜて手を合わせる。
「いただきます」
そう言って、私がカップうどんを貪るように食べていたその時だった。
「ちょっとちょっと。そんなもの食べてる場合?早くしないと隕石が直撃しちゃうよ」
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