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お留守番と、素敵な休日。
ちく、たく、ちく、たく。
あとこの針が5周。それで戻るとあの子は言った。
全く、この僕を置いて出かけるなんて、なんていいご身分なんだ!
いつもは、あの子と2人で寄り添って座るソファの真ん中を陣取りながら、僕は憤慨していた。
たった5分、されど5分。
一緒に住んでいるのに、全然会えないあの子との時間は貴重なんだ。
それを奪うなら、僕は容赦しない。例えそれがあの子自身でも。
あとでしっかりと説教して、少しだけいじわるをしてやろうかな。僕があの子の怒ることをやったって、いいよね?
だって、今日は久しぶりに、一日中一緒にいるって約束したのに。出かけちゃうあの子が悪いんだから。僕は悪くない。
…僕だって、楽しみにしてたのに。
あっと、いけないいけない!もう針が1周。あと4周の間に、あの子に何をしてやるのか考えなくちゃ!
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