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出会い
「僕は君のように暇人ではないんだよ。その様子だと、今回の依頼もお前の仕業なんだろ?」
僕はそう言って、ズレたメガネをクイッと右手で押し上げた。
「お、せいかぁーい!さすがは名探偵さんっ!」
相も変わらずオーバーリアクションをとる遊馬を横目に、話をすすめる。
「それより今回は厄介事ではないだろうな?」
「相変わらずひどいなぁー。でも今回はメガネ君に関係のあることかも知んないよぉー。」
彼は真剣な眼差してそう言って、スタスタを僕の前を歩いて行った。
「メガネは余計だ…しかし、あの事件に関わることなのか?」
僕は前を歩く彼を急ぎ足で追いながら、真剣な眼差しで彼を問いただした。
「まだなんとも言えないんだけどねー。」
彼はそういいながらスタスタと工場の中を歩いて行く。
「はぁ…!?遊馬!!それってどういう…」
僕は素っ気ない態度をとる遊馬に怒りを覚えながらそう言うと、彼はいきなり歩くのをやめた。
「あー、お久しぶりだねーユイちゃん。」
彼はそう言って、右手をひらひらと振っている。
「急に止まるなって…。それよりお前誰と話して…!?」
僕は遊馬に文句を言いながら、彼が向いた方向に顔を向けた。
するとそこには、
「あ、お久しぶりです。遊馬さん。」
そう言ってこちらに微笑みかける、少女の姿があった。
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