少女の正体

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少女の正体

どうしてこうなった。。。 「なにしてるんですか?薫さん?」 そう言って首をかしげてこちらを見ているのはユイ。さっき廃工場で出会った訳ありの幽霊(自称)だ。いまは僕の家の椅子に正座して座っている。 「いや別に…」 僕はそう言ってグラスの中のオレンジジュースを飲み干した。 「ん?あんなやつはほっといてユイははやく食べなよw」 そう言って我が家のソファーにどしりと座ってピザをほうばっているのは常夜霧 遊馬。世にいうホームレスの情報屋だ。 ぼくの家の机にはピザやらジュースやらが乱雑に置かれていた。もちろん頼んだのは僕ではない。そして極めつけはこれ…ぼくの手のなかにある大量の領収書。 金額は…もはや一般人の常識を超えている。 「というかなんでお前らはいるんだ?ここは僕の家なんですけど…というかなぜ鍵をもって…」 僕は高ぶる感情を抑えながらなるべく平然とした口調で言った。 「え、それはここが俺の家でこれからはユイもここの住人になるからにきまってるでしょ?」 当然と言った顔で遊馬は言い放ち、呑気にお酒どこ〜などと戯言をいっていた。 「これからお願いします??」 ユイは驚いた顔のままこちらに頭を下げていた。 「僕はそんなこと言ってないんですけど…」 あー頭が痛くなってきた。これは悪い夢だ。きっと。。。うん、今日はゆっくり寝よう。 「とりあえず、僕は寝るから。片付けといて。。。」 僕はそう言い残して自分の寝室へ重い足取りでいった。 「大丈夫でしょうか?」 ユイはそう言って遊馬に視線を向ける。 「んーまぁ大丈夫だろ。いつものことだから、心配なら薬でも持って行ってあげたらいいよ。」 そう言って遊馬はピザをほうばった。 「…はい」 ユイは心配そうに薫が入っていた寝室に目を向けた。 これが僕らの出会いだった。
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