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「エスター、お前は何を知っていたのだ? それとも何も知らずに、ここまで死にに来ただけなのか?」
咲き誇った赤い花を見ながら、セヲォンはエスターの血に汚れた横顔に語りかけた。
だが、疑問に誰も応えるものは、薬草園にいない。
そしてこの世にも、遺っていなかった。
「あとは生きている者の仕事か。分かったよ……エスター、それにヴォーグ……」
そうセヲォンは肩をすくめると、横たわるエスターを残して薬草園を出て行った。
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