第二章 賊を捕らえる

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「村を解放するのは良いが、そのあと村人をたたっ斬ってしまうのは民心にも恐れを与え、よろしくないだろう。それに大々的に軍を動かすつもりはない。ごく少数の精鋭で十分だ」 「ほう」 「他人事のように言うなよ」  セヲォンは立ち止まってランタンを庭の縁石に置いた。ちょうど庭園の中程、噴水のある中庭までふたりは来ていた。ヴォーグも足を止め、またもセヲォンの言いたいことをその瞳のなかに認め、呆れたように言った。 「俺に参加しろと?」 「ちょうど軍も休暇だ。幼なじみのたっての願いに応じるのも一興ではないか」 「……ほう……他には誰が?」 「俺も参加する」  さらっと重要なことを微笑んだ顔のまま言いやがる。こいつはいつになっても変らんな。  ヴォーグはそう言い出したいのをこらえつつ、セヲォンに向き直った。 「王弟自ら出るというのか……! セシリアさまが何と言うか…」 「姉上には秘密だ、言うなよ」  ヴォーグはやれやれというように手を振り、噴水の脇に腰を下ろし言った。 「さては共犯に俺を仕立て上げるつもりだな……」 「よく分かっているじゃ無いか。それにお前も興味があるだろう、何者なのか」
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