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第二章 賊を捕らえる
軍勢の先頭を切り、テセの王都の城壁の門をくぐったのは、日焼けし、がっちりとした黒髪の大男だった。
隊を整列させると、その体に似合わずひらりと身軽に馬を下り、隊を待ち構えていた女王セシリアに拝謁するや、野太い声で率いてきた軍勢に叫んだ。
「解散! 家族のものどもに会いに行くなり、女を抱くなり、好きにすれば良い。3年の国境警備勤務、皆、ご苦労であった!」
途端にわぁっと歓声が上がり、一礼のち、隊員はわいわいと賑やかにと王宮の門をくぐり抜けていった。少しの間が空き、広場にはテセ国女王セシリアとヴォーグが残された。
「良く還ってきました。おつとめご苦労様でございます」
「……いや、いえ……かたじけのうございます……」
そこに、堅苦しい挨拶を繰り広げるふたりの様子を笑いながら、セシリアの弟、セヲォンが勢いよく駆けてきた。
「良く還ってきたなヴォーグ、この日を待っていたぞ!」
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