5HOOPS

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 ボールを受けた三星が足を止めていた。  審判が気付いて試合を止める。  田中が地に伏していた。 「「「「たなやん!」」」」  ごめん。  汗まみれの顔に涙を浮かべ、田中が震えていた。田中の足は、もう生きていなかった。  大きな拍手の中、田中は担架で運ばれていった。    渡辺はジャンプできなかった。  佐藤はもう腕が上がらない。  小林は身体を寄せきれないでいた。  村上はもう、走れない。  五人でやってきた。  一人の力は小さくとも、五人揃えば、百人力だった。  市瀬が、止まったままドリブルしていた。もう、余計な点を取る必要はない。時間が過ぎればいい。そう思った。  そこに、三星の咆哮が響いた。 「止まるな! 走れ! 最期まで戦え。倉野に、敬意を!」  うおおぉぉ!  倉野はついていけない。それでも、三星はこの試合一番速いパスを送った。市瀬が飛ぶ。市瀬は華麗にリングを通した。  如月が信じられない距離から3Pシュートを沈めた。  そして、試合終了のブザーとともに、ガソルの豪快なダンクが叩き込まれた。  福岡第五 117-104 倉野  拍手が鳴り止まなかった。
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