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「沙穂ちゃんに相談されて池畠を調べているうちに、あの事務所に出入りしているコンサルタントがいると知ってね」
「コンサルタントですか？ 透さんと同じ？」
「俺は主に経営専門だよ。ロータスが雇っていたのは節税コンサル。そのコンサルタントはうちの業界では黒い噂が流れてる悪徳なものでね」
難しい話を必死で理解しようと、私は彼と向かい合わせになった。
「悪徳？」
「そう。所得隠しや架空経費、領収書の改ざんに加担してるって噂になっていた」
さすが透さん。コンサルタントのコミュニティに詳しいんだ。
「そこで、ロータスの株を持ってる知り合いの投資家から過去の決算書を手に入れてもらい分析すると、経費が儲けを食い潰しているわりに、本人も店舗も羽振りがよすぎると気づいた。その時点で間違いないな、と確信はあったよ」
「む、難しいです……」
「はは、そうだね。あとは東帝大の同期の人脈を使わせてもらった。警察、特捜部、メガバンクにデータバンク。あちこちに散ってるからだいたいの裏技は可能だよ。もちろん、お互いリスクはあるけどね」
そんな……。私のために、多くの人にリスクを負ってもらったの？
「でも大丈夫。悪だくみを暴いて大団円、結果オーライだ。沙穂ちゃんが俺に相談してくれたから、オトワリゾートを守れたんだよ」
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