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「ようやく見つけましたよ…赤の絵の具。あーあー、こんなにも使ってしまうとは。……とんだ犯人ですね」
住宅街の一角。
マンションの建ち並ぶエリアに、一人の男が立っていた。
その手には、中身の少なくなった赤い絵の具。
「誰かが入り込んでなければいいのですが…赤色の迷路に」
心配そうに辺りを見渡した後、ゆっくりと男は歩き出す。
「……赤は『警告』の色。そして『厄除け』の色でもある。迷い込んだのだとしても、赤い物にさえ近付かなければ……ああ、今の世の中に安全な物があればの話ですけどね」
少し皮肉を込めた笑みを浮かべ、男は去っていった。
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