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「……よし、この手術はお前がやれ」
少し老けた男の声。
「え…僕、やった事ないですよ?」
若い男の声。
「ちゃんと実戦経験を積まなきゃいかんだろ。俺がサポートしてやるから」
ああ…そうだ。
ようやく思い出した。
俺の乗った電車が事故を起こして、俺は…。
「……が、頑張ってみます!」
記憶を辿っていた俺の耳に、気合いの入った声が響いた。
痛みを堪えて、うっすら目を開けてみる。
するとそこには、いかにも手術室な姿をした若い男性。
震える手が握っているのは手術道具だろう。
麻酔でも効いてきたのか…また意識がぼやけていく。
薄れゆく意識の中、俺は自分の死を理解した。
何故って?
その男が、激しく点滅していたか…ら……
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