夜を見渡す爆弾魔

1/4
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
ネオンが綺麗な都会の街中で、男が1人ビルの上から街を見下ろしていた。 「くくく……あと5分程で僕の仕掛けた爆弾がこの街で一斉に爆発する。一瞬でこの綺麗な街が消し飛ぶんだ。楽しみだなぁ」 彼はこの一瞬のために計画を練って、ひっそりと、ひっそりと爆弾をセットしていった。一斉に街中で爆発して、一瞬で全てが消し飛ぶ配置を作り出す。 ここから見渡せる範囲に何百、何千人もの人がいる。 彼らはきっと、今からたった5分後に爆発に巻き込まれるなんてことこれっぽっちも考えていない。5分後に何が起きるかなんて誰にもわからないのである。 「僕の芸術の完成のためには必要な犠牲だからね」 フハハハハハハと彼の高笑いが夜空に響き渡っていた。 彼はあとたった5分待つだけで悲願を果たすことができる。大勢の人を巻き込みながら……
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!