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一人の時、聞こえる囁き
お前、アイツ嫌いだよな?
だってアイツは今やもう、手の届かない所にいるからなあ。
逆立ちしたって敵いっこないもんな。
お前とつるんでる奴らもみんな、アイツの足元にも及ばないだろ?
そーんな怖い顔すんなよぅ。
アイツが流れ星のようにきらきらしながら現れたとき――――。
覚えてるだろ? 強烈な印象だったよな。
端整でスタイリッシュで、隠しようのない育ちの良さが匂い立ってて、それでいて気取ってなくて、ウィットに富んだトークで人を愉しませる事ができて……。
だけどみんなで、
「お前さ、ここがダメなんだよ」
「あー、ここもダメだな」
なんてダメ出ししながら、ちょっとイイ気分だったよな。
――才能があるからって調子には乗らせねーぞ――
って牽制しときたかったんだよな?
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