恋のゆくえしれず

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 そう思い始めると私の足はどうしても職場には向かわなかった。何か目に見えない(おお)きな力に突き動かされるように私はあらぬ方向へ進み始めた。私は間違いを犯しているという気はなかった。むしろ、それによって不思議な救われるような重荷から解放されたような清々(すがすが)しくも軽い気持ちになれたのだ。
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