恋のゆくえしれず

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 私にはどこへとも行くあてはなかった。ただ静かな場所でのんびりとしていたいという欲求があった。そして自分の心をゆっくりと見つめてみたい、これから先どうしたらいいのか考えてみたい、と思った。──ああ、それには丁度好い場所があったはずだ。そう、あそこなら静かだし人もほとんどいない──。私は自分の思い付きになぜか嬉しくなりながら、街の中心部に近い比較的大きなその神社へ向かっていた。
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