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やがて私はだしぬけに立ち上がり、拝殿へと向かった。〈ザマーミロ〉という声が聴こえるのなら神のお告げも聞こえるかもしれないという期待があった。
箱へ賽銭を投げ入れ、太い紐を引っ張り、でかい鈴を鳴らした。一礼二拍手し、手を合わせたまま私はひたすら心の中で祈った。──私はこれからどうすればよいのでしょう。教えてください──。私は目を閉じたまま何度も心の中で問い掛けた。──私はこれからどうしたらいいのでしょう──。私はじっと待ったが神様からの助言はついに何も聞こえなかった。
それでも私は虫の好いお願いだけはかなりいっぱいして神社を後にした。
この日を境に、私は何の断りもなく、二度と職場へ顔を出すことはなかった。
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