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私はあてもないままそれでも何となく人通りの少ない方へ少ない方へと角を曲がり路地裏へと回り込みながらぶらぶらと歩いていた。ラーメン屋の側へ差し掛かると生温かいスープの匂いが漂ってくる。いつの間にかチャイナ・タウンの中にいる。総菜屋の店先には切り落とされても笑ったままの大きな豚の首が飾ってある。妖しげな中国人が黒くて丸っこい帽子や角灯を売っている。ビードロも置いてあったみたいだ。華やかな暖色系の色彩の氾濫。龍の絵柄。桃の実の図案。曲線で形造られた朱色の門構え。私は再び人気のない方へ角を曲がる。
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