恋のゆくえしれず

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          2  暗い部屋のベッドに横たわっていると、窓の外から(かす)かに声が聴こえる。 (なんだ?)私は耳を澄ました。  ──ザマーミロ、ザマーミロ。  と、そんな声が聴こえてくる。  ──ザマーミロ、ザマーミロ。  そんな声がするはずがない。空耳に決まっている。しかし、その声は確実に、次第に高くなっていった。  ──ザマーミロ、ザマーミロ。  街中の人間達が窓の外から一斉に私を嘲り(ののしっ)ているのだ。  私はそんな幻覚に捕らわれそうになり、布団の中で一人耳を押さえてのたうちまわっていた。
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