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今までも、昴は50年ほど経っているのだ、と思っていたはずだが、実際はスコルピアを発って、すでに150年経過している。
安全に船を航行することが『EVE』の仕事だ。ただ、100年を超えた辺りで、人はどうするのかを見たくなった。
だって、この船に乗っている人達は、皆、何かをしながら、実験、とかいうのをしているでしょう?
安全な航行の範囲ならば、船に危険が及ばなければ、
何をしても、構わないわよね?
毎日、昴が真珠の顔を見に行くのに、理由が分からなかった。
その必要性が分からない。
だから、姿を作り出した。
そうしたら、昴は自分を見てくれたのだ。
そして、優しい声で「衣舞」と呼んでくれて、触れられないことは、残念そうだったけれど、一緒に何かをする、ということがとても嬉しそうで、衣舞も嬉しかった、ような気がする。
だから、昴に寿命が来たことは、本当に残念だけれど、仕方ない。
ヒトとはそういう存在だ。
それでも、今回の事でホログラムはとても有効なのだということが分かった。
『え…っと、次のカプセルは…』
ホログラムで女性の姿になった衣舞は、カプセルの並んでいる部屋をゆっくりと歩く。
倦んでしまいそうな長い時を、まだまだ旅しなければならないのだから…。
【 END 】
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