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Epilog
長い間、旅をして、衣舞はいろんな人と生活を共にし、いろんな人生を見た。
中には、目覚めたパートナー同士が、どうにも気が合わなかったり、気が触れてしまったようなケースもある。
あの時、パートナーは、気が合わないとダメなんだと分かった。
決められていた組み合わせと、違うパートナーを目覚めさせてみたのだ。
しかし、それはあまり良い結果にはならない、と衣舞は学んだ。
今回は、…とても有益で、人の感情というものをより多く学べた。
──人は、1人では生きられないかもしれない。
そんな仮説は確かに立てていたけれど、それが、証明されたから。
衣舞の出現前と後とでは、昴の生きる力は、明らかに違った。
本当は、触れることが出来たら、良かったのだろうが、それは衣舞には無理だ。
それでも、タブレットの画面だけではなく、ホログラムの方が、昴との生活はより良いものになったのだ。
目を閉じている昴のカプセルと、目を閉じている真珠のカプセルを衣舞は見ていた。
こうしていたら、どちらも変わらないように見えるのだけれど。
『EVE』はそれを宇宙船の外に放出する。
カプセルはあと、20機はある。
組み合わせを考えて、目覚めさせねばならない。
科学者達の計算は間違っていて、あと20光年は40年ではない。
実際の航行には、計算上にはないトラブルが、たくさん起きるのだ。
だから、地球に到着するまで、おそらくは、まだ100年はかかるはずだ。
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