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アメリカでの生活は予想以上に大変だったけど、周りの人にも助けられてとても充実したものになった。こっちに来たことは間違いじゃなかった、と大きな声で言える。
就職をどうするかは迷ったけど、大学の後半からアルバイトをしていた企業に誘われてそのまま就職を決めた。正直、永住権を取るべきか迷っていた。
でも、25歳になった私に転機が訪れる。
「君の仕事ぶりには感激した。日本に戻る意思はないのか?」
「あの、それは……」
「うちの会社に来てもらいたいと思っている」
アメリカでコツコツと働いていた私が、日本の企業にヘッドハンティングされたのだ。
正直、ドッキリかと思った。私はまだ新米と言ってもいいくらいだし、グローバル企業の弊社には私よりも優秀な人材なんて沢山いる。とても嬉しいお誘いだけど、信じがたい話でもあった。
そのことを馬鹿正直に伝えると、相手はとても愉しそうに笑って言った。
「君のそういうところも気に入っているんだ。大胆で、日本人らしくないところ。確かにまだ若いけど君は間違いなく化ける。私はそんな君をこの手で育てたいと思ったんだ」
この会社は好きだった。実力主義で、女の私にも男性と平等にチャンスがあるし、年齢もバラバラで国籍も様々な社員が切磋琢磨しながら働ける環境が私にとっては大切だった。
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