12. 作戦会議

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 ハルさんから「駅に着いた」と連絡がきた。タケマロを起こして急いで支度をさせ、駅前のファミレスで落ち合う。 「ねね、ハンバーグセット食べていい? 後、季節のパフェ」 「タケマロ、あんたお金持ってんの」 「貸してよ、ショーコ」 「なんでわたしが貸さなきゃいけないのよ」 「だって財布ん中、千円しかないもん」 「千円内で食べられるものにしなよ」 「そしたら帰りの交通費なくなっちゃう」  不貞腐れた顔をして見せるタケマロに、思わず笑いそうになりながらもハルさんを見ると、ハルさんはスイーツのページを真剣に見ている。 「ハルさん、決まりました?」 「いえ……どれも美味しそうで目移りしちゃって」 「季節のパフェにしなよ、そんで一口ちょーだい」 「タケマロさんはお好きなの頼んでください、奢ります」 「マジで!? あんた意外といい子じゃん!」 「ハルさん、奢る理由ないですよ」 「いいえ、ハヤトに目に物見せる機会くださったんですから。それに、貢ぎすぎてお金がないときの気持ちは私もわかりますし」  ハルさんはニコニコしながら、「じゃあハンバーグセットでいいですか? 季節のパフェ、小さいのもありますよ。飲み物どうします?」と、こまめにタケマロの世話を焼いている。その姿にちょっとだけ「面白くない」と感じている自分がいた。 「ショーコさんは決まりました?」と聞かれ、はっと我に返る。 「あ……、えっと、ドリンクバーにしようかな」 「じゃあ注文しちゃいますね」  ハルさんは手慣れた様子で手元のタブレットに入力していく。そうか。そうだよね。普段は忘れがちだけど、ハルさんは社会人で、わたしよりも四歳上で、しっかりしてる人なんだ。
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