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「ショーコさん、美香子ママさんの電話番号、わかりますか」
「わかる。かける?」
「お願いします」
「ちょっと、ママになに言うつもりよ!?」
「タケマロさん、美香子ママさんにも協力をお願いできないか聞きましょう」
「やだよ! これ以上カッコ悪いところ見せたくないもん!」
「タケマロさん」
ハルさんの目が厳しく光る。
「今はそんなこと言ってる場合じゃありません。美香子ママさんの人脈を頼りましょう」
「だって」
「冬馬をこのまま野放しにしていいんですか」
「それは、やだけど……」
「じゃあ、プライドは捨ててください」
ハルさんがわたしに目で促す。慌てて美香子ママに電話をすると、すぐにママが出た。
「代わってください」
ハルさんにスマートフォンを渡す。
「ハルです、すみませんお休みの日にお電話して。実はちょっと伺いたいことがありまして」
ハルさんは、美香子ママにこれまでの状況を、かいつまんで話した。
「はい、はい、そうなんですか!? やっぱり……。はい、睨んだ通りです。それなら話が早いですね。はい」
タケマロは名残惜しそうに、パフェの底に残ったコーンフレークをつついている。わたしはハルさんと美香子ママの会話を、耳を傾けるでもなく聞いていた。
え? え? え、え!?
唖然とした顔のわたしを見て、ハルさんがウィンクをしてみせる。そして美香子ママに「詳細はまた後ほど改めてご連絡いたしますので、手筈をよろしくお願いします」と言って電話を切った。
「ショーコさん、電話ありがとうございました」
返されたスマートフォンを受け取る。ハルさんって、ほんと読めない……。
「ハルさん、本気?」
「もちろん本気です」
「何? なんの話?」
「もっとちゃんと詰めないとですけどね。タケマロさん、冬馬に因果応報、味わわせてやりませんか?」
「なにそれ! やるやるやる!!」
うふ、とハルさんが微笑む。わたしも思わず微笑んだ。これが上手くいったら、二人分の復讐ができるってわけだ。
「やりますよ、XX(ダブルクロス)最高のショータイムです!」
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