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復讐の始まり
「よし!ここに必ずヤツは━━!」
オセロは上機嫌だった。この国の地図を穴が開くほど見ていた彼女だが、特に北北東の国境沿いにある遺跡に、万年筆を突き刺していた。ドクドクと血のようにインクが流れている。彼女は懐にナイフだの銃だのと、凶器を忍ばせていた。これから使うためである。
「必ず、必ず殺してやるわ━━!」
***
遡ること2年前。オセロには恋人がいた。名をルーフェン。オセロは彼を愛していたし、ルーフェンもまた彼女を愛していた。オセロの義父からは、ルーフェンは良く思われていなかったようだが、そんなことは愛し合う2人には関係無かった。単純に過保護なだけだ━━きっといつかわかってくれるはず━━そう思っていた。
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