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「大丈夫ですか?」
「っててて…うん、色んな意味で大丈夫じゃないかも。」
腰を擦りながらもう一度椅子に座り直す課長。
けれどこちらを見てくれない。
「あの…困らせましたか?」
自分の言った事が今更ながらに恥ずかしく思えて後悔する気持ちに押しつぶされそうだ。
課長の誕生日も近いしいいタイミングだと思ったけれど…
言わなきゃよかったかな…
よし、仕事に集中しよ。
「仕事の話を中断させてしまい申し訳ありません。立川工業の件、お願いします。」
気持ち、切り替えよう。
すると、会議机に両肘を付き、手のひらで顔を覆った課長がそのままの状態で聞いてきた。
「今の…本当なの?」
「えっ?ああ、はい…本当です。だけど、課長を困らせてしまったので撤回ーーー」
「しないで。」
「えっ?」
「撤回しないで、欲しい。」
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