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結局、その後もあまり寝付けることなく少々寝不足気味の顔で出社することとなってしまった。
私が勤めるのは某有名デパートの外商部。
外商部は一課から三課まであり、私は外商三課の事務をしている。
外商一課は法人外商、二課は個人外商、そして私達三課も個人外商なんだけどその中身は二課とは少し違っていて。
勿論、二課同様、顧客の殆どは会社経営者だったりするんだけれど、三課の顧客は全体的に若年層になっている。
親世代から引き継いでの顧客もいるし、若くして経営者の顧客もいたりする。
一般的には外商の担当員は比較的、年齢層が高かったりするんだけど前回の人事で新しく三課を増やして若い年齢層の顧客は三課で担当することとなった。
そしてその三課をまとめるのが若くしてこの度の人事で大抜擢された住吉課長という訳だ。
そういった事から課長を始め、うちの課は他の課よりも年齢がぐっと若い。
と言っても仕事に関しては非常にデキるメンバーが集められている。
勿論、課長もだ。
若年層の顧客に対して近い感覚でより良い信頼関係を築きつつ売上を取っているのだ。
しかも、その売上は部全体の半分近くを占めていて店全体の予算として見てもかなりの貢献となっている筈だ。
つまりは売り場に立つことなく高額商品をバンバン売る集団がここには集まっているのだ。
住吉課長を始め、僅か5人でこの不景気に飲まれることなく年間億単位の売上を取っているのだから凄いと思う。
三課のメンバーは当然、みんな男性だ。
と言うより、基本、外商部は事務を除いて男性ばかり。
昔に比べると随分とマシにはなったらしいけれど外商マンにプライベートは無いも同然。
そう言ったハードな勤務状態が男性ばかりの職場にしているのかもしれない。
だから休日に担当する顧客から呼び出しなんて普通にある事なのだ。
とは言え、相当な大金を出してもらうには大なり小なりこちら側も犠牲にする部分があるのも仕方ない。
休日の呼び出しや、無理な商品の注文を受けてもその度に悪戦苦闘しながら顧客のニーズに出来る限り寄せていきながらこそ、取っている数字なのだ。
そんなメンバーを尊敬するし事務とは言え、私なりに出来る事をしながらサポート出来ればとも思っている。
けれどーーー
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