364人が本棚に入れています
本棚に追加
/184ページ
「そっか。箕輪さんがそういうのなら…。だけど、諦めた訳じゃないからね。ここは一旦、住吉に譲る。そして、今日の会計も住吉に譲る。」
「か、椛島っ、譲るって、お前の給料だと一人でも出せるだろ。」
と、課長が言えば、ちょっと飲みすぎたのか飯山くんが何やら叫びだす。
「箕島さぁん、僕も諦めた訳じゃないですから。弟ポジションでも良いのでこれからもお側にぃ〜」
と、向いの席から両手を広げるポーズをする。
まぁ、距離があるしさすがにハグなんてことはないから大丈夫と思ってるけど…
どうしてもヒヤリとする。
すると、
「大丈夫。」
と、課長は一言言うと私の背中に触れるか触れないかのところに手を持っていくと、
「悪いな、飯山。そういうことだから諦めろ。今度、合コンの日に早退させてやるから。」
「うわぁ、椛島さん、見てください。課長が箕輪さんの背中に手を〜。マジで次の合コンの時、早退しますから。」
「いいんですか?」
と、横目でチラリと見れば
「どれが?」
と、課長に聞き返されてしまった。
確かに、どれがって言うよりどれもこれもな話だよね。
その後は飯山くんのこれまでの合コンの失敗談で盛り上がりお開きとなった。
A5ランクのお肉でのすき焼き代も冗談だよと椛島さんも払おうとしたけれどいつの間にか課長がお会計を済ませていた。
普段、適当な感じなのにこういうところ、スマートなんだよね。
最初のコメントを投稿しよう!