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かくして…
課長と私は付き合ってる。
と言う設定は続行らしい。ほらね、また飯山くんだ。
「箕輪さ〜ん、その後、課長とどうなんすか?」
「あのね、飯山くん。今、仕事中。」
「え〜、いいじゃないですか?だって僕、箕輪さんの弟ポジだし?姉の恋路が上手く行っているのか知る権利ーーーイテッ。」
飯山くんの頭に背後から書類の束がドスッと乗っかった。
「課長〜、軽くパワハラ止めてくださいよ。」
「飯山、わかった。じゃあ、重めのパワハラなら文句ないんだな?」
と課長。
か、課長、目が笑ってないから洒落になんないよ。
「えっと、課長、その資料、私の仕事ですよね?」
さっき飯山くんの頭に乗っけた書類の束を指差し確認する。
「うん、そう。大筋まとめてあるからそう難しくないと思うけど、わからないことがあれば電話して。」
電話…?
よく見れば書類を持つ手の反対側には課長の営業鞄が。
「外出ですか?」
「うん、ちょっとね。新規開拓出来そうな顧客がいてさ。」
「上手くいくといいですね。」
「ああ、サンキュ。」
「あの〜、僕もここにいるんですけど見えてます?それともお邪魔でした?」
「飯山くん、違うって。だって新規のお客様が増えたら三課の成績になっーーー」
慌てて否定しようとしたら遮られた。
「仕方ないじゃん。俺達、ラブラブなんだし?仕事中はさすがにと控えていても愛が溢れちゃうんだよね。」
「課長!冗談言ってないでさっさといってください!新規獲得絶対ですよ!」
私の剣幕に二人とも目が点になってる。
「はい、仕事っ!」
ポンと一つ手を叩くとそれぞれが仕事に戻った。
ただ、課長は私にもう一度笑顔を残していったけど…。
いくらそういう設定だからってそんな笑顔向けられたら…
向けられたら…なに?
よし、さっきの書類さっさと片づけよ。
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