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「課長、本当に獲得してくるなんてさすがですね。」
「まあね。」
謙遜はしないのね。
出先から帰ってきた課長は有言実行、新しい顧客との契約を終えてきた。
見た目は飄々としてるのに仕事できるんだよね。
ーーー見た目とのギャップに惚れ惚れしちゃう…キュンッ
「あのさ、飯山くん。勝手に人の心の中、想像してアフレコしないでくれる?それにキュンッてなに?そんなこと思ってないし。」
「あれ?違いました?僕は思ってますよ。課長の仕事ぶりにはいつだって惚れ惚れしてます。キュンキュンですよ〜」
アホらし
これ以上、かまってられない。
「箕輪さん、ちょっと。」
飯山くんの軽口に呆れていると帰ってきたばかりの課長に手招きされる。
「はい、なんでしょう。」
急いで課長の席に行くと、
「これ、頼める?ざっとでいいから纏めといて。気になる点あればその都度、確認してくれていいから。」
渡された資料に目をやると、ついさっき契約してきた顧客情報だった。
資料には課長が手書きで補足したこともいくつか書いてあり、やはりこの人は仕事が出来るんだなと実感する。
ふと、二枚目の資料に付箋があったので見てみるとーーー
今晩、予定がなければ
飯でもどう?
今度こそリハビリ!
と、課長にしては似つかわしくない最後に小さなイラストが添えられていた。
なんのイラストなのかはその画力からは残念ながらわからなかったけど…
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