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カウントダウン18
7月21日(火)
今年に入ってウィルス騒動が人々の生活の中心となった。その陰で密かにあるカウントダウンが始まっていた。
恐らく専門家達は異変に気付いて日本政府に報告をしたのだろう。4月に政府は「富士山が噴火した場合のシミュレーション」を発表した......が、殆ど注目を集める事は無かった。
6月になると三浦半島で異臭騒ぎがあった。「海の方から変な臭いがした」と警察に通報が相次いだが、調査結果は「不明」とされた。
7月に横須賀で再び異臭騒ぎがあった。「焦げた臭いがする」と通報が相次いだが、「クジラの死体」「タンカーの原油漏れ」などの珍説にみんな「そうかも」と思った。「大震災の予兆」と警告をしたのは一部の人に限られた。
異臭は海底の岩盤が強い力で擦れて焦げ、その臭いが解放されたのが原因だったが、それが公表される事は無かった。東日本大震災で日本列島の乗るプレートは5mもアメリカ寄りに移動した。その影響が地震の頻発と火山活動の活発化を引き起こしたのだが、5mも動いていた事を知っている人は殆どいない。恐らく日本政府はカウントダウンが0になるまで首を捻るポーズを取る事を決めたのだろう。それはパニックを防ぐ為のやむを得ない判断だと評価されるべきである。
それくらい、日本が置かれている状況は深刻だった(続く)。
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