0人が本棚に入れています
本棚に追加
「よく誤解されちゃうけどね。信じてないから、好きなのよ」
「は……? 意味わかんないんだけど」
「ちょっ、アキコってば顔怖いよぉ」
だって彼女はしょっちゅう、ネットとかで心霊スポット巡り行ったりしてるって。
だからてっきり。
「逆に考えてよ、逆に」
エリコは肩をすくめて言った。
「幽霊とか祟りとか呪いとか。あと神様や妖精妖怪なんかも。全部、あたしにとってはファンタジーなの。目に見えないモノは全部ね。だから楽しめる」
「なるほど……」
ある意味、究極の現実主義者ってわけだ。
私はようやく少し納得できた頭を、縦に振る。
――それなら仕方ないのかもしれない。
「悪趣味なのは、変わらないけどね」
「アキコってば毒舌過ぎ! 一度、一緒に行こうよ。心霊スポット巡り」
「ええ?」
なんかうるさそうだ。
それに。
「夜行くんでしょ、こういうのって」
「当たり前じゃん! 昼間行っても楽しくないし」
「えぇぇ……」
わざわざ怖い思いしに、足元どころか一寸先もよく見えない時間に行くとか。
「やっぱりバカにしか見えないんだけど」
「もーっ。アキコってば、ひどい」
ひどいのかな? 普通の人間の感覚だと思うけど。
最初のコメントを投稿しよう!