アキコ

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「よく誤解されちゃうけどね。信じてないから、好きなのよ」 「は……? 意味わかんないんだけど」 「ちょっ、アキコってば顔怖いよぉ」 だって彼女はしょっちゅう、ネットとかで心霊スポット巡り行ったりしてるって。 だからてっきり。 「逆に考えてよ、逆に」 エリコは肩をすくめて言った。 「幽霊とか祟りとか呪いとか。あと神様や妖精妖怪なんかも。全部、あたしにとってはファンタジーなの。目に見えないモノは全部ね。だから楽しめる」 「なるほど……」 ある意味、究極の現実主義者ってわけだ。 私はようやく少し納得できた頭を、縦に振る。 ――それなら仕方ないのかもしれない。 「悪趣味なのは、変わらないけどね」 「アキコってば毒舌過ぎ! 一度、一緒に行こうよ。心霊スポット巡り」 「ええ?」 なんかうるさそうだ。 それに。 「夜行くんでしょ、こういうのって」 「当たり前じゃん! 昼間行っても楽しくないし」 「えぇぇ……」 わざわざ怖い思いしに、足元どころか一寸先もよく見えない時間に行くとか。 「やっぱりバカにしか見えないんだけど」 「もーっ。アキコってば、ひどい」 ひどいのかな? 普通の人間の感覚だと思うけど。
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