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相変わらず茹だるように暑い。
クーラーも付けてるけど。このボロ機械、前の住人ので調子悪いのだ。
だから音のわりにはなかなか冷えないし、専ら扇風機に頼るしかないってわけ。
年々暑くなる地球に、順応しにくくなってる気がする。
――したたる焦が、服の下を流れて気持ち悪い。
「ね。アキコぉ」
「うるさい、黙って課題しなよ」
夏休みは少ないのだ。
くだらない話に、時間を割いているヒマはない。
だけど彼女は相変わらず、パソコンを覗き込んでばかり。
どうやら動画でなく、なにやらサイトを見ているらしい。
「……アキコの地元、F県だよね?」
不意に訊ねられた。
生返事に近く『あぁ』だか『んん』だか返すと。
「今度【ここ】行ってみない?」
ニンマリと笑ったエリコが、ノートパソコンの画面をこちらに向けてくる。
「なにこれ」
黒やら赤やら白やらの、おどろおどろしい配色。
やはり『その手』のサイトらしい。
そこには白い太文字である事が書かれていた。
【F県O市、一家惨殺事件跡……呪われた家】
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