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「たいへんたいへん! もえてる!」 叫びながら走ってくる良彦と吠えるタロ。  祭りの準備をしていた大人たちは、すぐに119番に通報し笹山に向かった。  消防車も駆けつけ、素早い消化のおかげで、笹山の火事は狭い範囲を焦がしただけで鎮火した。  大人たちは、ホッと胸をなでおろした。  この街の七夕祭りは願いが叶うことで有名で、街の大切な観光収入だ。  それが山火事にでもなれば七夕祭りどころではない。 「良彦くんよくやった!」 「えらいぞ!」  良彦は両親からも褒められ、東京ディズニーランドに連れて行ってもらう約束をした。  大人からたくさん褒められて、有頂天の良彦が眠りにつくと、夢枕に綺麗な女性が現れた。
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