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良彦は高校三年生になった。
両親は共働きを続けていたが、家は貧しかった。東京の有名私大に合格出来る程度の学力はあるが、四年間で六百万もの学費は出せない。
国公立しか選択肢がなかった。
良彦は初めて、一枚目の笹を使った。
『東京大学に現役合格できますように』
偏差値は足りなかったし、進路指導でも県立にしておけと言われていた。
だが、見事に合格した。
合格したのが不思議だったが、良彦は笹の効力を確信した。
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