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四十歳になった良彦は、自民党の強い誘いを受けて、衆議院議員選挙に出馬することになった。経産省で人脈が広がったゆえだ。
自民党は与党として長期政権を続けていたが、度重なる与党議員の不祥事で、支持率は急降下していた。
そこに小沢一郎率いる新国民党が新党を立ち上げ、無党派層を中心に一大ムーブメントを起こしていた。
良彦の選挙区は、新国民党の候補者と良彦の一騎討ちだ。
人生の正念場だった。
良彦は、三枚目の短冊を使った。
「当選しますように」
接戦だったが、良彦が五万票近く上回り、見事に当選した。
地元に錦を飾った良彦は、三階建ての二世帯住宅を、両親と妻子にプレゼントした。
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