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「あなたを是非図書副委員長にという声が多数、上がっています。本日伺ったのは、あなたの希望を確認したかったのですよ」
「……え?」
告げられた内容が理解できずに、反射的にそちらを向く。
瞼を覆っていたハンカチが、パサリと膝の上に落ちた。
俺が、副委員長…?
困惑を目の前の人物に向けてみるも、変わらず嫋やかに笑うこの人の内心は、読めない。
「あなたは、俺でいいんですか」
本当は、嫌だから先ほどのような質問をしたのではないか。
俺なんか眼中にもないのではないかと嫌な考えがグルグルと頭の中で回る。
投げかけた質問に、一瞬キョトンとしたその人は、けれども次の瞬間には綻ぶように笑った。
「私も一緒に仕事をするならあなたがいいです」
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