「退屈だな」

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自分と同じくレアキャラ扱いされている同室者。 そんな棗が現れた事で、一瞬騒がしくなるが、それもすぐにおさまった。 「尊、帰るぞ」 普段そのようなことを言わない男が、珍しいと思いながらふと時計を見ると。 「…あ」 18時50分。 図書館閉館の時間を20分も過ぎてしまっていた。 慌てて、佐々木さんの方を見ると苦笑いを浮かべながら近寄ってくる。 「緋扇君ごめんね。あんまり真剣だったからそのまま読ませてあげたくなっちゃって。たまたま来てくれた文月君にお願いしちゃった」 それで閉館時間を過ぎても生徒が残っていたのか。 「申し訳ありません。つい集中してしまって……」 手早く荷物をまとめ、カウンターを出る。 「いいよいいよ!僕もゆっくりできたし」 マジでいい人だなこの人。 「生徒の追い出しは、こちらで行いますね。すみませんが、戸締りはお願いします」 笑って許してくれた佐々木さんを神と崇めつつ、再度謝罪をする。 そうして、突っ立ってる棗の手を引き、残っている生徒の追い出しに向かった。
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